toggle
2023-07-13

メンズアクセサリーのオーダーメイド・贈り物のネクタイピン

Atelier Yuu*には珍しいアイテム、メンズアクセサリーをご紹介します✨直線的に整然と煌めく「ブルー&イエロー」のネクタイピン。お客様のご希望を叶えたオーダーメイドのお品です。

オーダーしてくださったのは、私の学生時代にアルバイト先でお世話になった先輩で、大好きなお姉様♪ 音楽関係のお仕事をしていらっしゃって、コンサートを開催するにあたって、とてもお世話になった男性に『感謝の気持ちを伝える贈り物をしたい✨』とのご相談でした。

実はご相談いただいた当初、心苦しくも制作をお受けするかとても迷いました。ネクタイピン、普段は取り扱っていないアイテムでしたし、ご希望のデザインを美しく表現することができるだろうか?と、正直なところ自信を持てなかったんです。納期がタイトだったこともあり、限られた時間で試行錯誤して納得いくものに到達できなかったら。。。大切な贈り物なのに、それこそご迷惑をおかけしてしまう。

でも何度かやり取りする中で、お贈りする方への感謝と思い遣りに溢れたお心に感動してしまって。そして、私ならその思いをカタチにしてくれると信じてご連絡くださったそうなんです。「とても心ある素敵な方なので、是非、その方を知ってもらってイメージして作ってもえらえたら!」というご相談でした。光栄なことですし、頼りにしてくださるのは嬉しすぎます。なんとかその思いを届けるお手伝いをさせていただきたい、ご期待に応えなくては!と、オーダーをお受けすることにしました。

お客様にいただいたイメージ画像より

ご希望のデザインは、ウクライナの国旗をモチーフにしたもの。青色と黄色のバイカラーで、青色は空を、黄色は実り豊かな小麦を表す色なのだそう。お贈りするお相手の男性は、長年ウクライナで音楽活動されてきた方です。突然始まったロシア軍のウクライナ侵攻。会えなくなってしまった仲間たちの、無事を願う男性へのエールとなるような贈り物でした。

その男性には、ウクライナは「音楽人生にとって全て」と言えるほどに強い思いがあること。自分にできることは何かと模索して「音楽を奏でる日が戻ってきたときに、いち早くその環境を整えてあげられように」と、ウクライナの音楽会の支援活動をされていること。などを知りました。

いつか再会してまた一緒に過ごす日常が訪れた時、「素敵なネクタイピンしてるね!」って会話の一部になってくれたらいいな、1日でも早くそんな日が訪れて欲しいなと、私も強く思います。

アクセサリー制作をしていると、天災や人災そして戦争など悲しく辛いことが起こった時、私の仕事は無力だな、不要不急のものだな。。と切ない気持ちになってしまう時があります。でも、変わらずに誰かのためにそこに存在し続けていることで届けられる安心感だったり、今回のように誰かの心に届けられるようなモノづくりができることだったり。長く制作していると様々なオーダーをいただいて「アクセサリーたちが無力だなんて、そんなことないんだな!」と感じられるようになりました。思い悩んでいたこともあるので、気付かせてくれた全てのお客様に感謝しています。

制作にあたっては、私が制作するならば、シンプルなネクタイピンを土台として、その上にブルーとイエローの煌めきが美しいガラスストーンを並べてあしらう方法が一番だと考えました。ガラスストーンを台座に止めたものが連なる「連爪」と呼ばれるチェーンがあるのですが、それをジュエリー用の強力な接着剤で固定する方法です。「連爪」は、「ラインストーンチェーン」「ダイヤレーン」と呼べれることもあるパーツです。

まずは、ネクタイピン本体のパーツ探し。普段よく利用するパーツ店には、納得いく高品質なものが見つかリませんでした。そこで、本来そのまま身につけられるシンプルな板状のネクタイピンを利用することにしました。

そして、美しいブルーとイエローのガラスパーツ。思い描く色彩に煌めくパーツ探しは、思いがけず難航しました。いくつかの取扱店を探して、ようやく入手。ブルーとイエローの仕様が別メーカーのため、多少の違いがあるのですが、奇跡的なバランス調整で2列に美しく収まるものを揃えることができました。

真ん中の黄色&一番下の青色を採用。

さて、あとは、本体にガラスパーツを貼ればいいだけ?と、思うなかれ。

接着の世界は奥が深く、「美しく・素早く・完璧な強度」に接着するのは、なかなか難しい世界なんです。経験値がものを言う世界なんです。

ガラスの留まった台座は、一つ一つのパーツが固定されておらず、ゆらゆらと動くチェーン状。それらを、2列に美しい直線に整然と敷き詰めるのには、どうすれば良いか?
いきなりネクタイピンに接着剤を塗布して貼ったところで、絶対に美しくは仕上がりません。綺麗に並べようとしている間に、接着剤が固まり始めしまいます。各パーツごとに様々な方向から直線を意識しながら、数回に渡り接着工程を繰り返して固定しました。

強度と美しさ、両方を叶えるための絶妙な接着剤の量も大切です。少なくては強度がないし、多すぎてはハミ出て美しくない。これもほんと、経験あるのみです。

そして、接着剤が完全に乾くまでの、固定もポイントです。固定の方法が適切でないと、少ーーーーしずつ移動して「え!!?」という向きで完全固定されてしまう時もあるのです。ここも直線を維持できるように工夫しました。

きっと、普段からよく接着加工をされる作家さんでしたら、ありとあらゆるパターンを経験して難なくできると思うのですが、接着頻度がそこまで高くない私には、緊張感ありまくりです。
心臓ばくばくポイントがいくつかありましたが、本当に美しく仕上がりました🙌

そして一緒に贈られるネクタイと共に、ラッピングさせいただくことになりました。そのネクタイのセレクトがこれまた素敵なストーリーがありまして。

淡いグレーに映えるネクタイピン
京絞りのネクタイに煌めきを♪

こちらのネクタイは、お贈りする方のご出身の伝統工芸で誂えた素敵なネクタイなんです。明るいグレーの京絞りのネクタイで、あらかじめお色や生地感などもお聞きしていたので、ネクタイピンの色鮮やかな煌めきが、とても良いアクセントになるようにベストな組み合わせになっています。

「感謝の想いを伝えたい!喜んでもらいたい!」その思いやりに溢れた贈り物選びに、私も心温まる思いでした。お手伝いできて本当に嬉しいです。納期もギリギリ間に合いました!そして、とっても喜んでくださったとお聞きしました🙌

余談ですが、私の娘も小学生の頃から部活のオーケストラに所属し音楽を奏でています。娘の活動を通してクラシック音楽の素晴らしさを教えてもらいました。私自身は、音楽の才能を持ち合わせていなく音楽音痴な母なので、なかなか音楽の世界に貢献できる機会はないのですが、今回、アクセサリー制作を通して微力ながら、その音楽世界の触れ合いの一場面をお手伝いできたこと、とってもとっても嬉しかったです。

わぉ、長文になってしまいましたーーーー>_<

素敵なオーダーだったことをお伝えしたくて、伝えたい事がたくさんあって、まとまらない文章が散見されてて恐縮です😱

思いやりに満ちた数々のストーリーに触れ、私自身の制作の引き出しをも増やすことができ、たくさん感じ、たくさん学んだオーダーとなりました。ご依頼、誠にありがとうございました。

最後に、

生命や生活が脅かされているウクライナの人々を思うと、本当に悲しいです。1日でも早く戦争が終結し、芸術や音楽を安心して楽しむことのできる、平穏な日々が訪れることを願っています。

  • 真鍮(シルバーカラー鍍金)、クリスタルガラス、ガラスパーツ
  • 参考オーダー価格:贈り物のため非掲載

※デザインにつきましては、おおまかなご希望のみお伝えいただき、基本的にお任せいただく形を取らせていただいております。

<Men0001BR-SwGl-1>


関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA